はろー!けーけーです。
突然ですが、「ジンクピリチオン」って知ってますか?
ジンクピリチオン(Zinc pyrithione)は有機亜鉛錯体で、ピリジンの誘導体の一種。 抗菌剤や防腐剤としての作用がある。 シャンプーや化粧品に添加される。 独特のにおいがする。
–wikipediaから引用
以上の通り、全く訳がわからないんですが、要するに「ちょっと臭い抗菌剤」ってことみたいですね。
薬用系のシャンプーによく配合されている成分です。
ずっと昔サクセスという育毛剤のCMで、「ジンクピリチオン配合!」っていうナレーションのフレーズがありました。
正確には確か「ミクロジンクピリチオン配合!」って言ってた記憶ですが、その響きが妙に印象深く僕の頭の中に根付いてるんです。
「ジンクピリチオン」
なんか意味も無く口に出したくなりません?
「ジンクピリチオン」
ほらね。
今日は「なぜ『ジンクピリチオン』と口に出したくなるのか?」について解説します。
「ジンクピリチオン」を文字数とリズムで考える
まずは、文字数を確認してみましょう。
「ジ・ン・ク・ピ・リ・チ・オ・ン」、8文字です。
8という数字は日本の文化的にはいろんな意味を持つ数字であり、漢字の「八」は縁起の良い数字ともされています。
「八百万(やおろず)の神」とか「嘘八百」、「八景」、「八方ふさがり」等など。
このように、まず8文字であるというところから、ジンクピリチオンの持つ由緒のようなものを感じますね。
続いてはリズム。
次の俳句を読んでみて下さい。
「秋深き 隣は何を する人ぞ」
松尾芭蕉の有名な句です。
自他の境界線を自覚するときの寂寥を見事に捉えた、絶品の一句。
今知ったんですが、この句は芭蕉が死の床にありながら詠まれた、絶唱の句だそうです。へえ。
では続いて、コチラを読んでごらんなさい。
「秋深き 隣はジンク ピリチオン」
どうでしょうか?えも言われぬ安心感を覚えませんか。
安心感のレベルで言えば、歴代のWindowsの起動音を聞いてて、XPになったところで急に安心する、っていうレベル。
まとめるとつまりこういうことです。
「ジンクピリチオン」が8文字であり、さらに「ジンク」と「ピリチオン」の3+5で捉えられることにより、僕らは「ジンクピリチオン」に安心感を覚える。
ここまではよろしいでしょうか。
では次です。
「ジンクピリチオン」を口触りで考える
定量的に紐解いたあとは、定性的な要素である質感から紐解きます。
思うに「ジンクピリチオン」の質感的な魅力が濃縮されているのは、特に「クピリ」の部分ではないでしょうか?
「アメリ」とか「シャブリ」とか、庶民的でありながらもスマートで趣味の良いテイストを漂わせる響き。
肉で言ったらサーロイン、魚で言えばエンガワ、小沢健二で言えば「ある光」にあたるのが、「ジンクピリチオン」で言うところの「クピリ」なのです。
さらにそれをアシストするのが直後にやってくる「チオン」、京都の由緒あるお寺「知恩院」を思い出す方も多いのでは?
「チオンチオン」と繰り返し口に出していると、なんだか無邪気なYセツムードも漂ってきます。
「クピリ」ときて「チオン」と落ちる。
それはまさに「侘び」と「さび」であり、「ハレ」と「ケ」。
松尾芭蕉であり、柳田國男であり、日本文化において重要な意味を持つ8という数字の中にこれだけの要素が内包されている。
そう考えると、もうお判りですよね。
最初にくる「ジン」とは「仁」のこと。
仁とは・・・
主に「他人に対する親愛の情、優しさ」を意味しており、儒教における最重要な「五常の徳」のひとつ。また仁と義を合わせて、「仁義」と呼ぶ。古代から近代に至るまで中国人の倫理規定の最重要項目となってきた。中国の伝統的な社会秩序(礼)を支える精神、心のあり方である。
–Wikipediaより
日本の道徳の成り立ちにも多大なる影響を与えた、儒学の大切な心構えの1つです。
まとめるとつまりこういうことです。
「ジンクピリチオン」の8文字が内包する「仁」「クピリ」「チオン」の持つ質感から、僕らは日本の道徳や文化の源泉のようなものを、無意識のうちに嗅ぎ取っている。
まとめ
ここまでを改めてまとめてみると・・・
- 「ジンクピリチオン」に惹かれるのは、総じて日本の文化が色濃く滲んでいるからである
- 3+5で解釈できる8文字であることが、リズムの面で俳句の韻律にも通じる安心感をもたらす
- 「クピリ」と「チオン」が持つ陰陽のコントラスト、そのダイナミズムに人は惹かれる
- さらに儒学の概念である「仁」でデコレートされ、全体が崇高な理想を希求する高揚感に包まれている
このように、僕らが「ジンクピリチオン」に惹かれるのにはちゃんと理由があるんですね。
「ジンクピリチオン」を配合したフケミンで、フケが減った話↓


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